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大腸がん死亡率減少をめざして

我が国のがん罹患数第一位、死亡数第二位、女性だけの死亡数は第一位なのが、大腸がんです(2020年)。国立がん研究センターのデータでは、大腸がんの10年生存率は、ステージ1では、93.6%に対して、ステージ4では、11.6%に激減してしまいます。いかに早期に発見することが大事か、おわかりになると思います。先月も、3か月前から、血便に気づいていても、我慢していて、痛みがでてやっと受診され、内視鏡検査にて、2型進行がんを認め、外科手術にて、すでに、ステージⅢbになっておりました。
血便だけでなく、便潜血陽性、便秘が続く、腹痛、体重減少、貧血、大腸がんの家系など、このような症状がある方は、大腸内視鏡検査を受けましょう。

大腸ポリープ、大腸がん、大腸憩室症、虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎などの疾患がないか調べることができます。検査中に見つけた大腸ポリープはその場で切除(日帰り切除)することで、大腸がんの予防に繋がります。大腸がんの前駆病変と考えられている腺腫性ポリープを内視鏡切除することにより、53%の死亡率抑制効果が得られるという米国からの報告があります。また、JDDW2022、東邦大から、内視鏡的ポリープ切除により、浸潤性大腸癌の発生を86%抑制したと報告がありました。

人工知能(AI)技術を活用して開発された、内視鏡診断支援ソフトウェアが薬事承認されました。このソフトウェアは、病変が疑われる領域を検出すると、対象領域を枠で囲って表示するとともに報知音を発して検出を支援するものです。

JDDWでは、AI診断支援機器を併用は、非専門医では、病変検出率が上がったが、熟練医では、AI併用しても感度はそれほど変化なかったと報告があり、臨床的実用化には、もう少し性能向上が期待されます。

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